「Doctor’s Four Seasons 2017 Winter Vol.45」に掲載されました – メディカルノート事業承継・M&A | クリニック、介護、薬局を中心としたヘルスケアM&Aサービス
トップ > 「Doctor’s Four Seasons 2017 Winter Vol.45」に掲載されました
2017.11.01

「Doctor’s Four Seasons 2017 Winter Vol.45」に掲載されました

「Doctor’s Four Seasons 2017 Winter Vol.45」に、メディカルノートM&A事業責任者の長田耕一が執筆するコラムが掲載されました。

 

  

 

 

 

クリニックM&Aよろず相談所②
―医院の現状を知っているのは?―

 

「よろず無料相談」で受ける事案のうち、とても切実でありながら割と頻繁に受ける相談があります。それは、院長が倒れて何とかしなければならないのだけれど医院のことはよくわからない、という奥様からの相談です。

 

◇◇◇◇◇

 

「それはどうしても必要なのですか?私がやらなければならないのですか?」

 

院長が高齢になったのでいずれ引き継いでくれる人を探している、という相談でした。院長夫妻での面談予定でしたが、院長が急に検査入院することになったということで奥様お一人での来社でした。
とても話し好きの奥様でしたが、本題の医院承継話になったとたんそれまでとは打って変わって寡黙な奥様に変貌してしまいました。実は、院長は検査入院ではなく緊急入院で再起の目途が立たず、今は知人が代診に来てくれて何とか続けられているがそれも1ヶ月後には難しくなるという切迫した状態に陥っていたのです。
すぐにでも相手探しを始めなければならないため医院の現状を質問してみると、「わからない」「知らない」と答えるばかり。何とか話を聞き出してみると、医院運営に院長と奥様は殆ど関わっておらず、顧問税理士に通帳と法人印を預けて振込支払いを含めた経理処理から給与管理・書類管理までの全般を任せきっている実態がわかってきました。医院の通帳をみたこともない奥様にとって、「わからない」「知らない」は本当のことだったのです。
引き継ぐ相手が医院を知るために、決算書や認可申請書といった資料や来患数や新患数といった情報が必要なことはいうまでもありません。それを説明したところ、冒頭の「それはどうしても必要なのですか?私がやらなければならないのですか?」という少し怒った口調での質問が返ってきたのでした。
最終的には、当社から顧問税理士の方に直接連絡を取り相手探しを始め、何とか代診の医師から次の方へと無事引き継ぐことができました。

 

◇◇◇◇◇

 

運営全般を誰かに任せている医院は、よく見かけます。今回のように奥様だから知らないというのではなく、院長自身が殆ど把握していないというケースもよく見かけます。医院の経営が安定していればいるほど、周囲に信頼できる人がいればいるほど、経営者であるという意識が薄らいでいくのかもしれません。

 

◇◇◇◇◇

 

クリニックを誰かに譲るということは、医院の過去から現在までを相手に理解してもらう必要があり、そのためには医院運営に関わる情報や資料を開示し説明しなければなりません。実は、この段階で頓挫する事案はそう珍しくありません。まずは、医院の過去から現在を院長と家族が理解することが大切です。